首輪

 

 

 

この日の蔵人さんとのデートで
葉月の印象に残っていることはたくさんあるんだけど、
中でも一番嬉しかったのは....実は案外普通のことで、
蔵人さんと一緒にお風呂に入ったことだった。

ホント、普通すぎることでごめんなさいって感じ。(笑)

 

蔵人さんとは一番初めのお茶面接の時から何度もお目にかかっているんだけど、
葉月はずっと、ある「一線」を感じていた。
葉月はずいぶん早い段階から蔵人さんに懐いてはいたけれど、
ある線より先に近づけない、というようなもどかしさがあった。

蔵人さんは葉月に対していつも、語りかけるような諭すような、
そんな口調で話かけてくれるんだけど、
その話し方はいつも丁寧語。
葉月の方は敬語、もしくは丁寧語。
なんて言うか、「ずっと上の方の人」って感じがしてベタベタする雰囲気じゃないんだ。

お試しプレイの時だって、
やってることは結構すごいことなのに、
口調は最後まで丁寧語。
葉月に目の前で自慰行為をさせるのに
「さぁ、やってみましょう♪」
みたいな言い方をするって、「なんなのよ?」って感じ。(笑)
もっとも、顔つきなんかは完全にスイッチ入ってて変態の目になってるところなんかは
口調が丁寧だからこそゾクゾクしたりもするんだけど。

で、そのお試しプレイの時には葉月はヘロヘロにされちゃったけど、
蔵人さんの方は最後までズボンのベルトはおろか、ネクタイさえも外さなかった。
葉月は全裸でヘロヘロ状態、蔵人さんは上着を脱いだだけの完全な「紳士状態」だったわけだ。
やってることは紳士の「し」の字もなかったけれど。(とほほ)

 

そういうギャップが興奮する要因でもあって、葉月も嫌いじゃないんだけど、
高いところから見下されてるって感じがしてね。
対等な感じがしない。
何度も言うけど、そういうところがよかったりするんだけど。
(何が言いたいのかよくわからないわね。)

要するに、お話ししている時もお試しプレイの時も、
「先生と生徒」とか「親と子」とか、そういう世代の違いみたいなものを感じていて
「大好きなんだけどこれ以上好きになっちゃいけないのね」
みたいな遠慮を感じさせてくれてたってことだ。

こっちは裸でヘロヘロなのに、ズボンのベルトを外してもらえない。
それはそれで女としては結構ミジメなもので
(本当に何度も繰り返して申し訳ないけどそれがよかったりするんだけどね)
葉月はよかったけど蔵人さんは気持ちよくなってないじゃないですか、みたいな申し訳なさも感じる。

 

そういう距離感みたいなものを蔵人さんにはずっと感じていたので
葉月が潮を吹かせてもらった後、お風呂に入りたいと言って支度をしていると
蔵人さんがネクタイを外し始めたのを見て
「え?もしかして一緒に入ってもらえるの?」
って、凄く嬉しかったのを覚えてる。

普通のことなのにね、なんだか変だよね。

 

葉月は男の人と一緒にお風呂に入るのが好きだ。
なんだか凄く仲良くなれたような気持ちになれる。
自然に体が密着するのでいちゃいちゃもしやすい。
ベッドの上よりもお湯の中だから視覚的に生々しくないからかなぁ。
いろいろお話しもできるしね。
とにかく好きなんだ。

お試しプレイが終わった後に、感想メールで蔵人さんに
「気持ちよくはしてもらえたけどエッチしてくれなかったのは減点!」
などと散々愚痴を言った葉月だったけど、
この時一緒にお風呂に入ってもらえたことで
今まで蔵人さんに感じていた距離感や壁みたいなものがサッとお湯に溶けちゃった感じがした。

嬉しくてね、なんだかちょっと泣きそうになった。(笑)

 

そしてもうひとつ、嬉しかったこと。

蔵人さんはセビアンで、葉月の知らないうちに葉月に首輪を買ってくれていた。
赤い革製の首輪で、お揃いの手枷足枷もある。
葉月は超ビックリした。

「え?これ、さっき買ったんですか?」
「そう」
蔵人さんは葉月に首輪をつけてくれた。

「蔵人さん....首輪を買ってくれるってことがどういうことだかわかってるんですかっ?」
いかにへなちょこの葉月だって、首輪っていうものの重大さはわかってる。
蔵人さんだってわかっていないはずがない。

「わかってますよ♪」
「だったらどうして....?」
「僕は葉月さんを束縛しようとは思わないけど、
僕と一緒の時だけは葉月さんは僕の物ってことでいいじゃないですか」
蔵人さんは優しく笑いながら言った。

そっか、そういうことなら....って、葉月はその時単純にもすぐに納得できてしまった。
葉月は今までだっていろんな人とエッチしてきたけど、
どんな人とだってその時にはその人のことしか考えない。
もちろん蔵人さんと一緒にいる時には蔵人さんと一対一の関係のつもりでいる。

だから、蔵人さんと一緒にいる時に蔵人さんの首輪をつけるってことは全然抵抗がない。

 

葉月は「首輪を買ってもらえた」ってことが純粋に嬉しかった。
蔵人さんの「気持ち」を感じたからだ。
今までずっと保護者で、愚痴聞き係で、エッチもしてくれなくて、
「葉月さんが楽しむことが一番です」なんて仙人みたいなこと言っちゃって、
「一体、葉月のことをどう思ってるんだよ〜?」って
実は内心ずっと思ってた。

それと、葉月がずっと不安に思っていたこと。
それは、複数の人とお付き合いするのはいいけれど、
いろんなところにフラフラしてると、結局自分の居場所が定まらない根無し草のようになっちゃうんじゃないか
っていう不安。
その不安を葉月は蔵人さんにも聞いてもらっていた。

でも、首輪をもらったことで
とりあえずここに帰ってくれば首輪してもらえるんだ、っていう安心感が生まれる。
「とりあえず」っていう表現は悪いんだけど。
これはね、すっごく心強いことだ。
蔵人さんはよくわかってる。
どうすれば葉月の不安が払拭されるかってことを。

この「親心」には葉月は感服した。
凄い人だなって思った。

 

「ねぇ、蔵人さん」
「なんですか?」
「葉月は蔵人さんをパートナーに選んじゃダメですか?」
葉月は勇気を出して聞いてみた。
どうして「勇気を出して」なんだかよくわからないけど。

「ダメじゃないけど....僕は補欠でいいんですよ」
「補欠?」
「そう、補欠♪」

なんだかなー、何を遠慮してるんだか、欲が無いのか、
自分から補欠を志願する候補者なんて聞いたことない。(とほほ)
本当に不思議な人だ。
ま、忙しい人なので補欠の方が気が楽なのかも知れないし、
葉月は本当は蔵人さんが補欠を志願する理由はわかってるんだ。
これまた葉月のことを思ってのことだと葉月は勝手に考えているんだけどね。

 

 


マヌケ面して嬉しそうに笑ってます、はい。

 

 

そしてこの日、ちゃんとエッチもしてもらいましたとも。
ノーマルエッチとはほど遠いエッチだったけど。(笑)
よく覚えてないんだけど、おまんこにローターとおちんちんを両方入れたり
しかもその時お尻にもローターが入ってて
おまんこのローターとお尻のローターが膣壁を挟んで共鳴して...みたいな
未知の感覚の凄い変態エッチだった。

その後、(後だったか前だったかはっきり記憶がないんだけど)
葉月は気持ちよくしてもらいながらお尻を叩かれていて、
信じられないことに葉月はその時、
「もっと叩いてください」
って、おねだりをしたらしい...。

らしいって言うか、後からそのことを蔵人さんに言われた時に
自分でもそんなことを言ったようなかすかな記憶が残っていたので
どうやら本当に言っていたみたいだ。

おっかしいなぁ、痛いことは嫌いなはずだったんだけど〜〜〜、
でもなんだか自分が自分じゃないみたいだったんだよね。
その時のこと、よく覚えてないの。
とっても残念なんだけど。
かなり飛んじゃってたみたい、葉月。

 

 

こんなスペシャルなデートをしてもらって、
葉月はすっかり元気を取り戻したのだった。
蔵人さんには心から感謝してる。

そしてこのデートの翌日、葉月は涙が止まらなくなっちゃうんだよね。
この時期は本当に、1日おきに笑ったり泣いたり、
よく頭がおかしくならなかったと思うほどいろんなことがあったんだ。

 

 

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