さよなら、プレイボーイ 3

 

 

 

啓太さんは直感で行動する人です。
型にハマってないその独特な考え方や生き方が、啓太さんの最大の魅力です。

葉月も啓太さんのそういうところが好きだったし、
啓太さんがそういう人だからこそ葉月みたいな10歳も年上の、
しかもパートナーのいる女と偏見なく付き合ってくれてたんだとも思います。

 

妙に大人っぽいところもあれば、妙に少年のようなところもある。
普段話をしている時には対等のおしゃべり友達、
時々「姉さん扱い」してからかわれたりもするけど、
ベッドでは年上女をオナニーの道具として扱う。

そのギャップというか、「いくつもの顔」の変化に、葉月はとても惹かれました。

 

啓太さんは場所やシーンによって自分を変えようとして変化させているのではなく、
本能と直感でその時々の空気に合わせて変化するんです。
自分のキャラを設定していないって言うんでしょうか。

とにかくいつも自然体。
だから接しているこちらも自然体でいられる。
不思議な魅力だと思います。

 

その、「何も考えないで直感で行動するところ」が好きなのに、
「何も考えないで直感で行動するところ」に苦しめられている葉月。

どうしたもんだかなぁとしばらく悩みました。

 

普通の女なら、とっくにブチ切れてさよならするところだと思いました。

でも葉月は、
お別れすることはもうほとんど確定しているかもしれないけど、
その前にやらなければならないことがある、 っていうような使命感を感じていました。

 

啓太さんは以前に、
「自分のこの性格で、自覚しないところで他人を傷つけてしまうことがある」
っていうようなことを葉月に話していました。

自分の行動や発言で、知らないうちに人の心を傷つけてしまう。
でも、啓太さんにはそのことが予想できないんだそうです。

傷つけたいと思ってやっているわけじゃない。
でもどうして人が傷ついてしまうのかわからない。

思い起こせば啓太さんと今のような関係が始まったのも、
当時啓太さんはある出来事のことでとても悩んでいて、
それで葉月に「話を聞いて欲しい」と連絡してきたのがきっかけでした。

 

葉月は10歳年上です。
啓太さんがこの葉月と数年間遊んでくれたことにはとても感謝をしています。

葉月は、啓太さんとお別れするのは仕方ないにしても、
何か啓太さんの役に立つことを残してあげたいと思いました。

 

「言わなきゃ伝わらない」が葉月の座右の銘です。
葉月は、今葉月が感じていること、思っていることを正直に啓太さんに伝えてあげることが、
こんな年上女と付き合ってくれたことに対しての精一杯のお礼であり
「置き土産」であると考えました。

そして葉月は啓太さんにメールを書き始めました。

 

啓太さんのどういう行動が問題なのか、このまま進むとどういうことが起きるのか、
人間関係が複雑になればなるほど直感だけで行動することは危険であるということなどを、
葉月なりに一生懸命説明しました。

 

こんなメールを読んだら、啓太さんは当然楽しい気分ではいられないでしょう。
そのメールを送ることは啓太さんとの決定的なお別れを意味していました。

 

それでも葉月は伝えたいと思いました。
腹を立てながらも、啓太さんが何か1つでも葉月の言葉に引っかかってくれて
何かに気付いてくれたらそれでいいと思いました。

本気で惚れた男だから、葉月と別れた後ももっといい男でいて欲しい。
葉月の残りの女人生よりも遥かに長い時間、「男」でいられる啓太さんには、
もっともっといい男でいてもらいたい。

 

男は女の踏み台であり、女は男の踏み台です。
短い間でも男と女として関係を持ったことで、お互いにステップアップして、
付き合う前よりも「いい男」「いい女」でありたいし、あって欲しいと思います。
そうでなければ人生において関わった意味がないからです。

 

 

関係の修復が目的のメールではなかったので、
かなり説教っぽい内容になってしまったけれど、
伝えたい気持ちはきっちり書いて、
「伝わるといいなぁ」と思いながら啓太さんにそのメールを送信しました。

送信ボタンを押しながら、

「これで啓太さんともお別れかぁ」

って葉月は淋しくなりました。

 

楽しかったいろいろな場面が浮かんできました。
ツリーの前で写真撮ってもらったこととか、
ラブホでピザを頼んで待ってるうちに朝まで寝ちゃったこととか、
初めて蔵人さんと3Pした時のこととか、
翌日一緒にバイキング食べたこととか、
ファミレスで大笑いしながらおしゃべりしてたことなんか数知れず…。

本当にいつもいつも楽しかったなぁって、しんみり思いました。

 

返事は、もらえないかもしれないと思っていたんだけど、
メールを送った翌々日に、葉月が送ったメールの倍ぐらいの長さの返信が届きました。

 

葉月さんが今回のメールを俺に出してくれたことにはとても感謝しています!
というのも世の中にはね、いろんなおかしな人がいて、
言うべき人にいわないっていう人がたくさんいるから。
そういう意味でも葉月さんはやっぱり素敵だなと思うよ。
だから、俺も話をそらさないでちゃんとこたえます!

 

挨拶の後のこんな書き出しから始まった啓太さんのメールには、
葉月の疑問や意見に対する回答が、1つ1つ丁寧に書かれていました。

その内容のまとめは、

1. ミキちゃんとはやめ。(まだ何もしてないし。)
2. 複数の女性を囲う器量みたいなものは俺にはないと思う。
3. 葉月さんとの「年下のプレイボーイ」も続けられないと思う。

というものでした。

意味がよくわからないところもあったし、わかるところもありました。
かなりの長文だったので読み込んでいると、
今度は携帯に啓太さんからメールが届きました。

 

夜遅くごめんね。
俺なりに一生懸命葉月さんのメールの返事を書いたよ!

ただね、逆戻りしちゃうんだけど、葉月さんに話したいことがあるんだ。
だからできれば、どっかで話したい!鉄は熱いうちに打て…で近いうちに話したい。
明日時間あるかな?
今、一人でゴロンと寝っころがったら、やっぱり話さないと!って思ったんだ。

 

そうだよね、こういう話はメールじゃなくて会って顔見ながらしないとダメだよね。

葉月もそう思ったので、
翌日の夜、啓太さんに会うことになりました。

 

 

 

 

 

 

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