福耳の悪魔 2

 

 

 

何の話をしたんだっけな。
しばらくその場所でいろんなお話をして、その後街へ出て居酒屋に行くことになった。

今夜は一発さんの奥さまも交えて一緒に食事することになっているので、
奥さまと落ち合うまでの時間、ちょっと飲んでようってことになったからだ。

 

通りを歩いてよさげな居酒屋を発見。
「当ビル2階」と書いてあるのでビルの中に入って
「こっちだよね?」って葉月がエレベーターの方に向かおうとしたところで、
一発さんが…いきなりキスしてきた!

 

「へ?」

 

なんだかよくわからないうちにキスされちゃった葉月。

葉月は、ぽかーん…って感じ。
まったく油断も隙もない男だ。(年下のくせに!)

もう一度顔を近づけてきた一発さんを、

「こらこらこら!」

とかわす。

 

この時の悪戯っぽいキスを、葉月は特に重要なことだとは思っていなくて、
「しょーもないヤツだな」ってくらいにしか思ってなかったんだけど、
後になって一発さんに聞いた種明かしでは、
ここが大きな運命の分かれ道だったらしい。(その話はまた後の方で。)


一発さんの声

さて、その居酒屋で、一発さんと2度目の乾杯!

あー、やっぱり札幌で飲むサッポロ生は最高!
って、これは完全に気分的なものだよなぁって思う。

 

 

後で奥さまとちゃんと食事するからあまりたくさんは食べちゃいけないとわかってはいたけれど、
葉月は家を出てから何も食べていなかったので
「北海道らしいものを食べよう!」なんて観光客気分で、
アスパラの天ぷらとホッケなどを注文する。

 

居酒屋で腰を落ち着けて再度一発さんを観察する。
すぐに気になってしまったのが、一発さんの手。
手というか、指と爪だ。

これ、かなり個人を特定してしまう肉体的特徴なので書けないかと思ったんだけど、
一発さんからは「別に、いいですよ」って返事をもらったので、書いてしまおう。
それに、このことを書かないとこのレポートは最後まで書けないから。(謎)

 

一発さんの指は普通の男の人みたいに逞しい指ではなくて、
女の子の手みたいに、いえ女の子以上に(もちろん葉月なんかよりもずっと)細くて長くてとっても綺麗で、
先の方がほっそりしてる。

そして爪が…、これがまた特徴なんだけど、つけ爪みたいな爪!


一発さんの声

一発さん曰く、「爪を切っても白いところがなくならない」ってことだったけど、
(その時葉月は、「アタシに切らせてくれれば肉までえぐり取るように切ってあげるよ」って思ったんだけど)、
でもどうやら本当に、爪と指先の形の関係で、
切っても爪が伸びてる(つけ爪のような)状態らしい。

 

「へー!へー!おもしろーい!女の子みたいだね!」

「よく言われます…」

「でもさ、そんな爪だったらおまんこに指入れられないじゃん」

「そうなんですよ、よっぽど気をつけないと相方にも痛いって言われます。
まぁ、傷をつけないようなやり方があるんですけどね」

「へー、そうなんだー!」

 

こんなつけ爪みたいな指をおまんこに入れられて、ジュポジュポやられたら、
そりゃー傷つくだろうし、痛いよなぁって、葉月は想像する。

 

「ヘタすると肉がバッサリ切れますからね。
指先に刃物がついてるようなものです。こうやってプシュッて…」

って言いながら一発さんは指を伸ばした状態で手を水平にシュッと動かして、
危険な行為のフリを見せてくれる。

 

「うわこわ。それじゃさ、完全犯罪とかできるね。
人を殺しておいて、警察が来るまでの間に爪切っちゃうの。
凶器がどこにもみつかりません、みたいな(笑)。」

「まぁ、そうですね」


一発さんの声

「でもさ、今は爪切ってない状態なんでしょ?」

「そう。伸ばしてるわけじゃないけど、切ってもいないです」

「ってことはさ、葉月のおまんこに指入れる気はまったくありませんっていう意思表示だよね、その爪は」

って、ちょっとからかってみる。

 

「そういうことじゃないですよ。いつもこうなんですってば。
それに、気をつけてやればなんとかできるんですって!」

「ふふん」

 

必死で弁解するところがおもしろいから合格〜!ってことにしておこう。
合格って言っても、これから奥さまと一緒に食事するってのに、
おまんこに指なんて入れさせるわけないでしょーが。

 

 

なんだかんだと飲み食い&お喋りして、そのうちに奥さまからメールがあって、
大通公園で待ち合わせをすることになったみたいだ。
居酒屋を後にして、一発さんと二人で大通公園に向かう。

 

一発さんは移動中もずっと葉月と手を繋いで歩いてくれた。
葉月もだんだん手を繋いでもらってることに慣れてくる。

手を繋いでラブラブっぽく歩いてることに対して、

「地元なんですよね?大丈夫なんですか?」

って葉月の方が気になっちゃったくらいなんだけど、一発さんは全然おかまいなし。
知り合いじゃなくたって、
この明らかな年齢差と、「スーツにボストンバッグの女と、地元民」という異様なカップルは、
街を行き交う人の目に止まってるだろうになぁなんて、頭の半分では気になっていた。

でもそんなことを全然気にしないでいてくれる一発さんにも感謝。
なんか、恋人気分を満喫させてもらったって感じ。

 

途中、時計台の前を通ったんだけど、時計台って思ってたよりも小さいんだなって思った。
葉月が見たことある時計台の写真って、ほとんどが下から見上げてる写真だもんなぁ。
だから大きく見えるんだな、なんてことを思う。

予報では雨だったのに、この日は物凄くいい天気で、汗ばむくらいの陽気だった。
時刻は、たぶん5時過ぎくらいだったと思うけど、まだ日差しはあって、
その日差しの中で公園の噴水があがっているのが印象的だった。

 

噂には聞いていた「大通公園のとうもろこし」なるものを売ってる屋台も出ていて、
葉月はとても惹かれたんだけど、
これから奥さまと食事だっつーの!って、自分に言い聞かせる。

 

「明日、帰る前に食べればいいじゃないですか。
ここは葉月さんのホテルから駅に向かう途中ですから」

あ、なるほどね。
明日はお土産を買うくらいで何も予定はないし、
この道をぶらぶら歩きながら駅に向かえばいいのね。


一発さんの声

一発さんが地理的なことをその都度説明してくれるので、
まったく予備知識なく来てしまった葉月にも、
なんとなく駅、大通公園、ススキノ、宿泊するホテルなどの位置関係がわかってくる。

葉月は今回札幌に来たのは初めてだったし、本当に予備知識のようなものは何もなかった。
(自分には縁のない場所だと思ってた。)

一発さんに会いに来ることが決まってからも、調べたのは新千歳空港から札幌までの行き方だけ。
一発さんが札幌駅まで迎えにきてくれるって言ってくれてたから、
本当に何も調べないで来ちゃった。

 

「やっぱりガイドブックを1冊くらいは買うものかなぁ?」

なんてメールのやり取りでは言ってたんだけど、そもそも「飲むだけ」のつもりで来たし、
事前にガイドブックなんて読んじゃったらアレも食べたい、ここも行ってみたいって欲が出て、
行動が忙しくなるのは目に見えていた。

一発さんがエスコートしてくれるっていうなら、「すべてオマカセ」の方が葉月も楽だし、
葉月が「アレ食べたい、ここも行きたい」なんて言うことは、
一発さんに余計な条件を与えることになっちゃって申し訳ない。

何にも知らないで、どこに連れてかれるのかわからないっていう方が楽しいよ、うん。

って思った。

 

その辺の打ち合わせ(?)のやりとりがこれ。↓

すべてお任せ気分になりたいんで、わざと下調べとかしないでおくんです。
そしたら気分は完全に「あなたがいないと生きていけないの」モードになりますよね。

で、いろいろ連れ回されて、
「次はここです。ちょっと休んでいきましょう♪」ってラブホとかに連れ込まれても、
「はい…」っておとなしくついていく…。

そこから先は、葉月の好きな「イヤー、ヤメテー!」系が展開されて、
「一発さんを信じてついてきたのに…しくしくしく」
なんて展開はどうでしょうねぇ。

でもそんなヒドイ男なのに、帰りの飛行機の搭乗券を預けてしまったので帰るためには従うしかない…。

あー、いくないですか、これ。(うっとり)

あははいいですね(笑)
アナル舐めとクンニしようっと♪

それをされるの我慢したら、チケット返してくれるんですね…。(涙目)

「さあそれは葉月さんの態度次第ですね。ふふふ。
じゃあまずここで脱いでもらいましょうか?」
「無理に決まってるでしょ!!」
「無理かどうか、あなたに決める権利はもうないんですよ」
「鬼!卑怯者!鬼畜!」
「間違いではないですね。でもそんな私に会いにきたのはあなたじゃないですか」

 

って、あははは。
旅行の下調べは何もしてないのに、毎晩こんなメールで遊んでた。

こんなメールのやりとりで頭の中でイメージトレーニングをし…ってわけではなくて、
本当にズボラなだけで何の準備もしないで、
いつも通勤する時の荷物(財布とか化粧品とか)にチケット予約票と、
薄いコート1枚とカメラと本1冊だけプラスして家を出てきちゃったワタシ。
本当に、予備知識はゼロだった。

だから、一発さんとの妄想やり取りの中にあったみたいに
「すべてオマカセ」モードになれたことでは狙い通りだったのかもしれない。

一発さんが教えてくれる地理的なことや街の情報など、すべて新鮮!

 

 

 

 

 

 

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