お誕生日の会話

 

 

 

ベッドに移動してからは、何回かに分けてエッチしてもらった。

「分けて」っていうのも変な言い方なんだけど、
途中でお昼寝タイムがあったり、シャワー浴びに行ったりと、休憩タイムみたいなのがあったり、
おしゃべりしているうちにいつの間にかエッチになっていたりと、「いろいろだった」ということだ。

 

蔵人さんとは喫茶店でも食事の時でもおしゃべりはずっとしてるけど、
ベッドの上でこういう雰囲気でしかできない話もある。
葉月はこういう時間が大好きだ。

ただ、葉月のおしゃべりがあまりにうるさくなってくると、
蔵人さんは葉月のカラダを触り始めて「口封じ」にかかることが多いので、
せっかくおしゃべりをしても、何を話したのか葉月の記憶に残らないことが多いのが残念。
(蔵人さん、この時は特に「口封じ」が多かったと思いますよ!)

すごーーーくいろいろおしゃべりしたはずなんだけど、
記憶にはほとんど残ってない。

 

覚えてるのは、葉月が

「蔵人さんが今まで付き合った女の人って、
ノーマルな人とМ女さんと、どっちが多いんですか?」

って聞いたのに対して

「半々くらいかな」

って答えてくれたこと。

「へー!」

って言いながらも、そんなに意外には思わなかった。

だって蔵人さん自身が普段は「普通の人」だし、「М女専門」って感じもしないから。
 SMじゃない普通のエッチも上手だし。

 

「で、葉月はどっちに分類されるんですか?ノーマル?М?」

「М」

えっえー?
葉月は自分では『ドノーマル』だと思ってるんですけどね」

「ド、ってことはないでしょう」

「そうなの?でも『ちょっとМっぽいところがある』って程度でしょ?」

「どうかなぁ?」

 

そんな話をしていたかと思えば、全然違う話もした。

 

「蔵人さんはよく、葉月のことを『モノ扱いされたい願望がある』とかって言うけど、
それってちょっと違うんですよね」

「違うんですか?」

「違うっていうか、モノとして扱われたいわけじゃないんです。
葉月は蔵人さんの私物として扱われたいんです!」

「私物っていうと、人に貸し出されたりとかそういうことですか?」

「まぁそういうことも含めてですけど、
蔵人さんはよく葉月に『こういうことするのってどうですか?』とかって
同意を求めるじゃないですか」

「そうですね」

「同意なんて求めないで『やるよ』って言ってその場でやっちゃって欲しいんですよ。
私物なんだから」

「だって葉月さん、そんなことしたら怒り出すじゃないですか…(とほほ)」

「え?あ、あはははは、まぁそういうこともたまにありますけど。あはは」

 

何でもないこういうくだらない話が楽しい。

でも、話してる途中でエッチになると
こういう話ってほとんど忘れちゃうのでもったいないと思う。

 

この日は、エッチの後で「さっきまで話してたことを全然覚えてない」って葉月が言ったら、
蔵人さんが葉月が言っていたことを教えてくれた。

その内容に葉月はショックを受けた。

自分が言っていたことなのに自分では全然覚えてなくて、蔵人さんから聞いたことなんだけど、
葉月はこういうことをエッチの最中に言っていたらしい。

 

普通のことをやっていれば他の人と置き換えられてしまうかもしれないけど、
嫌なことや辛いことを蔵人さんのためにやれば、
他の人と置き換えられないってことでしょう?

 

この発言をする前に、
葉月は「もっとヒドイことされたい」っていうことを蔵人さんに言っている。
それは自分でも覚えてる。

そして、自分では覚えてないけど、上のようなことをうわ言で言っていたらしい。

 

自分が言っていたことを蔵人さんから後から聞かされて、ゾッとした。
葉月が言っていたことって、言い換えれば

私は貴方のためにこんなに嫌なことも辛いことも頑張ってやってます。
だから私を捨てないで!
(捨てられないために嫌なこともやります)

っていうことだ。

このいかにもМっぽい、押しつけがましいエゴ発言。
強引な悲愴感というのかなぁ。
葉月のもっとも嫌いな考え方だ。

そもそも「置き換えできる・できない」っていうのは相手が判断することで、
自分がアピールすることじゃない。

こんなことを自分の口から発してしまったとは、
葉月の中にもこういう気持ちがちょっとはあるっていうことだ。

 

葉月はそれを聞いてがく然とした。

聞いてすぐに発言撤回を申し出たけど

「Мの人ってみんなそうですよ」

って、蔵人さんは特にビックリしている様子も不快感もないようだった。

 

えーーーっ?

他の人はどうなのかは知らないけど、葉月は嫌だ。
自分の中にこんな考えがあるなんて許せない!

 

でも、おもしろいなぁとも思った。

エッチの最中とか理性がぶっ飛んでる時って、
普段の自分はまったく考えてない(と思ってる)ことを言い出すものなんだ。

でも、「まったく考えてない」ことをペラペラしゃべるとも思えないので、
深層心理というか無意識に、こういうことを考えてるってことなんだろう。

催眠術も、こういうものなのかもしれない。

たまたま今回は蔵人さんが教えてくれたけど、
本当はいつももっとあり得ない発言してるのかなぁ。
怖いなぁ。


蔵人さんの声

この日は、啓太さんとお別れしてまだ一週間しか経っていなかった。

啓太さんのことは、自分で決めたことだし気持ちの整理もついていたはずなんだけど、
やっぱりどこか、情緒不安定なところもあったのかもしれない。

エッチの最中に意味もなく泣き出したりしてたみたいだし。

 

エッチの最中に他の男と別れたことで泣き出されても困っちゃっただろうに
蔵人さん、何も言わないで泣かせてくれたなぁ。

 

そのことについては蔵人さんはわかってくれてる。

「失っても、何の痛みも感じないような相手と付き合っているという方が不自然ですよ。」

って、メールでも言ってもらえてる。

 

そうですよね、本気で好きだったことを後悔なんてしてない。
今はちょっとリハビリ期間なだけだ。

時間が経てば、心の穴は埋まっていくんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

NEXT:お誕生日プレゼント?

オセロ的保護者ルームINDEXに戻る

裏葉月メニューに戻る