緊急お泊まり1

 

 

 

啓太さんのことで葉月がチクチクして(年下のプレイボーイplay12参照)、
そのことで珍しく葉月は気持ちが不安定になって蔵人さんにヘルプメールを出した。

でも運悪くその時蔵人さんは多忙中の超多忙の時期で、すぐにメールの返信はもらえず、
蔵人さんと連絡が取れるまでの数日間、
ここ数年にないぐるぐるモードに陥ってしまった。

 

啓太さんは葉月から離れてく。
蔵人さんは葉月のピンチに助けてくれない。
結局アタシってひとりぼっちなのね…。

っていうような自作自演的な孤独感に押し潰される。

 

それが被害妄想なのは頭ではわかっているんだけど
(というよりも、「違う違う!」って頭で自分に言い聞かせようとするんだけど)、
こうなってしまうともう自力ではなかなか立ち上がれない。

元々卑屈な性格だし、コンプレックスの塊女(かたまりおんな)だし、
男の人から好意や行為をもらえてる時だけ安定していられる葉月は、
こういう状況に最も弱い。

自信なんてない。
自分の魅力なんてさっぱりわからない。

蔵人さんや啓太さんが今までどうして葉月なんかと遊んでくれるのか不思議で仕方なかった。
「不思議」だと思っているから、葉月の心の奥底には常に「不安」がある。

 

結局私なんか、最後には独りになっちゃうんだ…。

 

大昔からわかっていたけど忘れていた事実を、久しぶりに思い出したような気分。
本当に最悪だ。

 

 

週が明けて、蔵人さんからメールが届いた。

葉月が「自信がない」と書いたことに対して、蔵人さんの返信はこうだった。

 

僕が考える本当の自信とは、自分が他の誰とも違った存在であると認めていることです。
言い方を換えると、自分は他人では置き換えられないと思っているかどうかです。

 

自分と他の人の違いなんてわかんないですよ。
他人と置き換えられちゃうと思うから「自信がない」んじゃないですかぁ!

 

自信は他人との比較の結果、自分が優れているということから生まれるものではありません。
そんなのは、必ずいつか覆されるものです。
覆されないのは、「自分らしさ」だと思います。
仕事でも人間関係でも、自分らしさが発揮できれば、置き換えられることはないんです。

 

葉月の「自分らしさ」って、何なんですか?
それがわかんないんだからやっぱり自信なんて持てないです。

自分が他人と比べて優れているところなんてどこにもないから、
「覆される」ってことじゃないんですか?
(実際覆されそうになってるわけだし。)

 

葉月は蔵人さんからのメールを何度も何度も読み直してみたけれど、
何度読んでも淋しさは解消されなかった。

蔵人さんが葉月を心配してくれてるのはよくわかった。
忙しいのに時間をかけて長文を書いてくれた気持ちは凄く嬉しいと思った。
でもこの時葉月が欲しかったのは、たった一言、

「啓太さんがいなくなっても僕がいるじゃないですか」

そういう言葉だった。

 

自分らしさ…、自分らしさ…。
「葉月らしさ」って一体なに?

こうやって卑屈になって自信なくて、
気分はボロボロのところが「今のアタシらしさ」だよ。(とほほ)

蔵人さんの言ってることがわからない。
いえ、日本語としてはわかるけど、
蔵人さんの言葉じゃ、今の葉月を救えない。

 

結局蔵人さんは葉月のことなんて何もわかってないじゃん!

 

忙しいんだってわかってるから週一メールでも我慢してる。
声聞きたくても電話しないで我慢してる。

でも。

でも。

 

本当にピンチの時には助けて欲しい。
蔵人さんは葉月がピンチの時に救えない人なのか!

 

葉月は失望する。
この時が、今回の一件での一番落ち込んでる時だった。

 

でも、この夜の翌日、朝一で携帯にメールが届いた。

 

「土曜日の夜、葉月さんの都合がつけば泊まれるように時間を作ります。
どうされますか?」

 

 

ええええええっ???

土曜日の夜って、あさって?

お泊まり???

 

えええええええっ????

 

葉月は自分の読み間違えじゃないかと思って、何度も読み返した。

 

こここ、これは凄いことだ!

出張のついでとかじゃなくて、
蔵人さんが葉月のためにお泊まりの時間を作ってくれるって言ってる。

いや、このところの激務を考えると、
お泊まりでなければ時間を作れないっていう蔵人さんの現状なんだろう。

 

鳥肌が立った。

マジ凄いと思った。

 

なんだかよくわからないけど、
携帯にメールがあったってことは結論を急いでるんだろうと思って、
葉月は慌てて返信をした。

 

「泊まる!」

 

送信しながら「こんなに急に、どうやってお泊まりの口実を作ろうか?」ということを
頭フル回転で考えていた。

 

 

それにしても…、こういうメールで「どうされますか?」って、蔵人さん。
こういうところが「蔵人さんらしさ」ですよねぇ。

素敵です♪

 

 

 

 

 

 

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