バレンタインのお仕事・後編

 

 

 

「普通の人の不倫っていうのはこういう感じなんですかねぇ」

なんて、蔵人さんに言ったような気がする。

葉月と蔵人さんはいつもは午前中に会って喫茶店でおしゃべりして、
お昼を食べて、
お昼過ぎからホテルに入って夜まで過ごすことが多い。
この日みたいに「夕方の2時間くらい」っていう経験はほとんどなかったからちょっと新鮮。

仕事を終えてからの数時間のラブホって、ちょっと後ろめたいような背徳感がある。
(朝から丸一日の方がずっと背徳なんだけど。あはは)

 

お部屋に入った時点では、
もうあと1時間とちょっとくらいしか時間はなかったんじゃないかと思う。
葉月は蔵人さんと会っている時には時計は見ないことにしているので
時間の管理は蔵人さんにオマカセ。
だから正確な時刻はわからないけど。

時間がないことはわかっていても、ガツガツした雰囲気はない。
やっぱり何かちょっとここでもおしゃべりしちゃったような気がする。
(おしゃべり好き)

 

それでも何となくベッドの方に移動して、服を着たままイチャイチャが始まった。

 

「蔵人さん、服脱いでください。汚しちゃったら大変だから」

 

蔵人さんのスーツ姿を葉月は大好きだし、
蔵人さんがスーツのまま葉月を虐めてくれるのは「萌え〜〜!!!」なんだけど、
葉月は蔵人さんの服を汚しちゃいけないと思って、それが気になって楽しめない。

素敵なスーツやワイシャツに葉月の汁やらヨダレやら口紅やらがついちゃったら大変だし、
変なシワとかお布団のホコリなんかがついちゃうのも困る。

葉月の言葉に蔵人さんは「そうなの?」っていうような顔をして、服を脱いでくれる。
そして裸の蔵人さんが再びベッドの葉月に覆い被さる。

 

「なんか変な感じですね。葉月が服着たままで蔵人さんが裸」

「ふふふ。」

 

お道具を何も持ってきていなかったので、そのまま普通にエッチだった。
特別なことは何もされなかったと思うけど、葉月はヨレヨレにされた。

途中のことはほとんど覚えてなくて、
最後は四つん這いのような体勢だったことは覚えてる。
ピクピク痙攣しながらベッドの端の方でうずくまってた。

 

汗だくになっちゃったので、シャワーを浴びたんだっけな?
順序はあまりよく覚えてないんだけど、蔵人さんがコーヒーを淹れてくれて、
葉月が持参したバレンタインのチョコレートのお菓子を一緒に食べた。

その時葉月はまだ、全身のピクピクが残っていて、
気持ちは正常に戻ってるんだけど、
力が入らないようなブルブル震えるような変な感じだった。

そんな葉月の様子を見ても、蔵人さんは心配するでもなく、
どっちかって言うと満足そう。

 

「蔵人さんって凄いですよね。短い時間で葉月をこんなにプルプルにさせちゃって」

「今日なんか、完全な『丸腰』ですけどね(笑)」

 

「丸腰」っていうのはお道具何もナシ(手ぶら)っていう意味だ。

本当にそうだ。
道具は何も使ってない。

お尻を叩かれたりお尻や太ももをギューされたりはしたけれど、
それだけだもんなぁ。
葉月って、お道具なくてもこんなに気持ちよくなれちゃうんだなぁって、感動だった。

 

 

もうそろそろ帰らなくちゃならない時間になってるはずだった。

楽しい時間は速い。
あとちょっとっていう残り時間、葉月は蔵人さんとベッドのところで何か話していた。

その時に蔵人さんが葉月の乳首を弄り始めた。
全身のビリビリの余韻はまだ充分残っていたので、葉月はすぐに反応する。

 

「あっ、蔵人さん、ダメですよ!それやっちゃダメですよ!」

「どうして?」

「どうしてって…、もう帰らなくちゃいけない時間じゃないですかぁ。
中途半端に火を着けられちゃうのは辛いです…」

 

蔵人さんはほんの悪戯心かいつもの癖で触ってるのかもしれないけど、
「はい、時間切れ〜!」っていうのはされてる方としてはメチャメチャ辛い!

 

この日の翌週には蔵人さんの出張先にお泊まりに行く約束になっている。
だから来週にはまた会えるんだけど、
「一週間くらいは悶々とさせとくか」って蔵人さんが思ってるんだとしたら…、
いやそれはそれで「萌え〜」なんだけど。

 

「蔵人さん。葉月は今まで蔵人さんのことを
『蔵人さんはサディストじゃなくてフェミニストだ』
って言ってきましたけどね。
でも今初めて蔵人さんのことをサディストだと思ってますよ」

「ふふ。どうして?」

「どうしてって…、だってだって、辛いじゃないですか!
葉月、そんなことされたらすぐ気持ちよくなっちゃうんですよぉ、あ…ハァハァ…」

 

葉月がクレームをつけてるその間も、蔵人さんの手は止まらなかった。

時間や流れを考えれば、蔵人さんとしてはここで撤収するつもりだったはずだ。
だけど蔵人さんの優しさなのか、
「葉月を中途半端な状態では帰さない」っていう主義からなのか、
蔵人さんはそこで行為を止められなくなった(んだと思う)。

なんて言うか、「はいはい、わかりましたよ」っていう感じで、
蔵人さんはチャチャッと葉月を仕上げにかかった。

何をどうされたんだかほとんど覚えてないんだけど、
おまんこを指でぐゎちゃぐゎちゃにされて、葉月は絶叫してた…ような気がする。


蔵人さんの声

葉月は、一旦は「今日はもう終わり」っていう気持ちでいたので
期待していなかったこともあって、
その蔵人さんの攻撃をマトモに食らって、あっという間に撃沈された。

葉月を簡単に撃沈しておいて、蔵人さんはさっさと帰り仕度を始めてる。

うー、葉月はミジメだけど、蔵人さんカッコいい。
葉月はヨロヨロと立ち上がって帰る仕度をする。

 

お部屋を出る時に蔵人さんがベッドのお布団を触って

「ほら」

って言った。

 

「なんですか?」

葉月も蔵人さんが触ったところを触ってみると、うわわわ、お布団がぐっしょりだ。
ここはさっき、葉月がいたところだ。

 

「ななななんですか、これ?葉月、なんか粗相したんですか?」

 

マジマジと見て、ニオイも嗅いでみたけど、おしっこではないみたい。

 

「指でしてるとどんどん出てくるんですよ」

「そうなんですか(ひえー)
さっき指でされてる時、なんか途中からペチャペチャ変な音がするなーって思ってたんですよ…」

「やってるうちに指の方の感触も違ってくるんです」

「へー!」

 

そんな会話をしながらお部屋を出る時、
葉月は最後にもう一度振り返って、お布団の大きなシミを見てしまった。

蔵人さんは「仕事した」って感じでさっさとお部屋を出る。

「仕事された」葉月はその後をついて行く。

 

この日は、蔵人さんに出してもらえなかったんだけど、
不思議なことにいつものように「葉月だけごめんなさい」っていう気持ちにはならなかった。
時間がなかったこともあるけど、
葉月があんなにヘロヘロになっちゃって、
全身がブルブルして止まらなくなっちゃった状態になったことで
蔵人さんは絶対に満足してるはずだって、なんとなく思えたからだった。


蔵人さんの声

葉月は「精液好き」ではあるけれど、それは単なる葉月の「欲」で、
蔵人さんが満足してるかしてないかということとはちょっと種類が違う。

短い時間で葉月が完全にヘロッちゃったことと、
蔵人さんも葉月をヘロヘロで帰すということに二人で「うひひ」な気持ちだったから(たぶん)、
それで満足だったんだろう。

 

 

駅でお別れする時に、蔵人さんが

「チョコレートありがとうございました」

って言ってくれた。

 

「あー蔵人さん、チョコ食べちゃったからねー。また1年、葉月の面倒見てくださいよ」

「はい(笑)」

 

その「はい」がとっても嬉しくて、葉月はピョンピョンしそうになった。

来週また会えるから、今日はお別れするの淋しくない。
きっちり気持ちよくもしてもらったから、悶々として辛いこともない。

心地よい疲労感。
心はハッピー。

 

でも、電車の中で携帯をチェックしたら、
留守電3本、会社からのメール6本…。(とほほ)
そして翌日は朝5時半に起きて早朝出勤。

 

それでも全然辛くないよ。

好きな人がいるって、心を強くするって、ホント思う。
こんなに楽しい時間を過ごさせてもらったから、葉月はまだまだ頑張れる。

蔵人さん、ありがとう。

 

 

 

 

 

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