蔵人レポート

 

葉月、いけなくてごめんなさいぃぃ。蔵人さんのために、いこうとしたのにぃぃ

クンニ会が終わり、
参加して下さった方々が三々五々、飲み会会場へ移動するためホテルの部屋を後にして、
葉月さんと僕だけが残っていた。

 

蔵人さんがしてみたいって言ってくれたから、一生懸命だったのにぃぃ

葉月さんが泣いてしまった。
もっていきかたにミスがあったことを、このときになって自覚した。

僕の完全なる失策だった。

 

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椅子に開脚で縛り付けられた葉月さんが、次々にクンニされる。
最初の女性は、ご主人様のチャチャも入って、かなり緊張していたが、
女性にクンニされるという「あり得ない」シチュエーションに
葉月さんも緊張と混乱を隠しきれない。

次にクンニをして下さった男性は、以前からエロ抜きで葉月さんと親交のあった方だ。
丁寧過ぎる挨拶は、明らかに葉月さんを恥ずかしがらせるためだろう。
次の女性も、時折微笑みながら、葉月さんの羞恥心を煽る。
最後に、葉月さんお気に入りの男性がクンニを始めたときには、
葉月さんは少しだがパニック状態に陥っていた。

 

そもそも、何のためにこんな企画を立てたのか…。
長年の課題である「いきにくい」という葉月さんのコンプレックスにも似た症状。
原因の一つは、葉月さんが冷静さを失わないことだと思っている。
どんな方法で刺激しても、どこかに傍観者的な葉月さんがあって、
まるでレポートを書かねばならないかの如く、状況を分析している。

「何も考えずに、感覚に身を任せてご覧なさい」

何度もそう言ったが、

「どうすれば、感覚に身を任せることができるんですか?」

と問い返されてしまう。
我を忘れるという状況に葉月さんを追い込むことが、僕の課題となった。

そんな葉月さんの苦手なこと…。
熱いこと、痛いことでは、忘我の境地には至らないということは、既に実証済み。
残る苦手なこと、クンニでは、パニック状態に陥ることで、
やや我を忘れられそうなところまで追い込むことに成功した。
正攻法で、このクンニを用いることにしたわけだが、
普通にクンニをすることは激しい拒否反応に遭い、思うに任せない。

そんな折、葉月さんが墓穴を掘り、クンニ会を開催することになった。
この企画は、参加して下さった方々には申し訳ないが、
葉月さんと僕のプレイに参加者を利用させて頂くというのが、密かな趣向だった。
つまり、葉月さんにとって「あり得ない」状況をつくることで、自己分析をする余裕を奪い、
官能に身を任せるという体験を味わってもらうことこそが、僕にとっての目的だった。

 

自己紹介がてらの模範クンニで、葉月さんは既にヘロヘロになりかけている。
もう一押しで、自我を崩壊させられそうだった。

「では、目隠しをして、クンニして下さっている方のお名前を当てて下さいね」

葉月さんは、シチュエーションを設定されると、その役にはまってしまうという癖がある。
そこで、目隠しをされて、遊び道具にされるという被虐的なシチュエーションを演出した。

目隠し後、最初にクンニをして下さったのは、模範クンニのときには登場しなかった女性。
当然、葉月さんが彼女の名前を当てられる確率は低い。
視界を奪われたことで落ち着いたと言う割には、身を捩って激しく反応する葉月さん。
クンニする女性も、それを見て舌に力が入る。
その様子を、二人のM女さん達が絨毯の上に正座して見守る。
四人の女性の荒い息遣いが、いやが上にも部屋の温度を上げている。

 

頬が紅潮してきた葉月さんを追い詰めようとした。

「気持ちいいんでしょ?いってもいいんですよ」

僕の予想に反して、葉月さんが返した言葉は

「そんなこと言われると、いかなきゃいけないって思って、いけなくなっちゃうんです」

だった。

 

しまったと思ったときには、葉月さんの喘ぎ声のトーンが変わってしまっていた。
これは、いきたいと思う気持ちと、いかねばという思いから、
どうすればいけるのかという分析状態に入りつつあるときの声だ。

「じゃぁ、いかなくてもいいですよ。もっともっと気持ちよくしてもらいなさい」

恐らく、十分過ぎるほどに気持ちよくはなっているのだろうが、
「いかねばならない」という強迫観念で、いきたくてもいけない状態になってしまう。
バイブを使ったり、無理矢理にでも葉月さんをいかせる手立てはある。
そうすべきか…

 

僕自身も、イベントを盛り上げるという方向に意識が向き過ぎていることに気付いた。
もっと、この「あり得ない」状況を楽しまなきゃ…。
葉月さんにはちょっと気の毒だけど、イクことじゃなく、このシチュエーションを堪能してもらおう、
葉月さんにも参加者の方々にも…。
そう思って、葉月さんの素直な反応を引き出せるように、やや距離をおいてみることにした。

最初は馬刺しと鮨を摘んで和んでいた方々が、異様な緊張感をもって、悶える葉月さんを凝視している。
ギラついた眼差しではなく、葉月さんの一挙一動を見守るといった感じの温かさを感じる。
先程の二人のM女さん達は、葉月さん以上に顔を赤らめている。
時折、冷やかしや冗談が飛ぶが、部屋の中は熱気でムンムンになっている。
目隠しで自覚はないだろうが、そんな異常な雰囲気の中心にいるのは、外ならぬ葉月さんなのだ。

 

「みんな楽しんでくれたみたいですよ」

僕のクンニが終わり、葉月さんの縄を解きながら言った。

「ほんとですか?ほんとに楽しんでもらえたんですか?」

「僕は、とっても楽しめましたよ。こんなこと、ちょっとやそっとの変態さんだって、あり得ないですからね」

放心状態の葉月さんに、労いの言葉をかけた。
俄には信じ難いといった表情で僕を見つめる葉月さんの目は、
トロ〜ンとして、とても艶っぽかった。

 

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このイベントは葉月さんをいかせることが目的じゃなかったんですから、
いいじゃないですか、いけなくったって

葉月さんは納得してはいなかった。
苦手なクンニを6人の男女にされたことだけでも、あり得ないことだった。
このことで、今後の葉月さんは確実に変貌を遂げるという確信はあったが、
僕の至らなさから、葉月さんが望んでいた展開にもっていけなかったことは悔やまれる。

僕もまだまだですね、葉月さん。

 

 

 

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