深夜の電話

 

 

毎月のことなんだけど、仕事の納期前は忙しくて忙しくて、
葉月は会社に何日か泊まり込み状態になる。

この時もそうだった。
「木曜日までに」仕上げなければならない仕事が全然終わってない!
蔵人さんにももちろん、
そんな状況と仕事の愚痴なんかを毎日のようにメールで送っていた。

 

水曜日、そんな状態の葉月に蔵人さんからメールが届いた。

 

木曜日の昼の仕事がキャンセルになって、夕方4時からの仕事だけになったんですけど、
葉月さんの予定はどうなっていますか?

 

木曜日?
蔵人さん、何言ってんの?

木曜日までが修羅場だって、何度も言ってるじゃないですかぁ!(怒り涙)

メールを読んだ時にはそう思った。

 

だけど、時間が経つに連れて、蔵人さんに猛烈に逢いたくなってきた。

ずっと仕事で忙しくて乾いた生活してたからなぁ。
忙しくなると蔵人さんに逢いたくなるのよね。

蔵人さんのお仕事4時からかぁ。
葉月、ちょっとだけ仕事抜けて1時間くらい、お茶だけだったらできるかな。
そう思うようになってきた。

とりあえず、そんな気持ちを蔵人さんに返信した。

 

この日は本当に仕事がピンチで、
葉月は夜一旦家に帰って、夕飯の仕度をしてから再出勤して朝まで仕事をするつもりだった。
つもりもなにも、そうしなければ絶対に終わらない!

家から再度会社に向かって車を走らせて、駐車場についてエンジンを止めたところで
タイミング良く蔵人さんから電話がかかってきた。

 

蔵人さん、葉月ね、今すっごく忙しいんだけど、
明日2時とか3時とかに蔵人さんのお仕事の近くまで行くので、
そしたらお茶してもらえますか?

それがね、4時からの仕事が5時からに変更になったんですよ

あ、そうなんですか。
葉月ね、明日の午前中はどう考えても会社を出られないんです。
でも午後ならなんとかちょっと抜け出せるかな〜って思ってるんです。

そうですか。

でも…蔵人さんのお仕事が5時からってことは、4時半まで一緒にいられるってことですよね?
葉月が朝から出られれば…、
あ、蔵人さん、もしかして保護者ルームのつもりで葉月を誘ってくれてました?

まぁそれでもいいかなって思って。

え?え?え?ちょっと待ってくださいよ!
葉月はお茶のつもりだったので…

 

葉月は頭の中で時間を計算した。
午前中はどう考えても無理。
会社を出られるのは早くて1時。
蔵人さんと逢えるのは早くて1時半。
蔵人さんと4時半までいられるってことは…

 

3時間もあるじゃないですかぁ!

そうですね(笑)

 

前の2時間デートの時に、たった2時間でヘロヘロにされてしまった葉月は、
「3時間あれば保護者ルームは開催できる」ってことはよくわかってる。

無理だと思ってたから考えてもなかったけど、かかか可能かも?

 

どうしますか?

どどどどうしますかって蔵人さん、
それはお茶にするかエッチするか、どっちにするかってことですよね?

僕はどちらでもかまいませんよ

ああああーー!またそれだ!ずるいずるい、蔵人さんはズルイ!
葉月に決めさせてる葉月に決めさせてる!

ふふ。

前の時もそうだったじゃないですかぁ!
たまには蔵人さんの方から『葉月を抱きたいんだ!』とかって、
熱烈ラブコールしてくれたっていいじゃないですかぁ!

それじゃおもしろくないでしょ?
葉月さんが決めるところがおもしろいんです

くくーー、おもしろいって、おもしろがってるのは蔵人さんだけじゃん。


蔵人さんの声

ででででも、今日はこれから朝まで仕事で、明日も午前中は修羅場で、
葉月行ったとしてもやつれた眠そうな顔で行くことになりますよ?

いいですよ

くくーーー、この余裕、いつもながらムカつく。
ムカつくんだけど、断れないというか、吸い込まれちゃうというか、自然に答えは決まっちゃうというか、
たぶん、蔵人さんが思ってる通りの返事を葉月はしてしまう。

 

それじゃ…保護者ルームってことで…よろしく…お願いします…。

ふふ。はい。

結局自分で選択してしまう葉月。(とほほ)

 

あ、でも、明日は会社を抜け出して行くことになるのでお道具バッグはどうしようかなぁ。
蔵人さん、お道具の指定は何かありますか?

別に…

んもー、そういうところがムカつくんですよ!
あのゴツゴツバイブをまた使ってみたいなぁとか、葉月に首輪をつけて引きずり回したいなぁとか、
そういう『蔵人さんの希望とか欲望』ってのはないんですかっ?


蔵人さんの声

だって、僕が一番おもしろいのは『葉月さん』ですから♪

うぐぐぐぐ。

蔵人さんが希望を何も言わないので、
結局葉月が「使ってもらいたいお道具」ということでお道具を持参するって形になる。
これって、気分が180度違う。

「バイブを持ってきなさい」って言われてしぶしぶ持って行くのと、
何も言われてないのに自主的に持って行くのとはミジメさが全然違う。


蔵人さんの声

仮に葉月が手ぶらで行ったとしても、
蔵人さんはこの前みたいに丸腰でも葉月を必ず気持ちよくしてくれるもんなぁ。
その余裕が「別に…」になるんだろう。
蔵人さんの前ではいつも余裕がない葉月が敵う訳ない。

 

それじゃ明日、いつものところで…よろしくお願いします。

はい、それじゃ明日

 

電話がかかってくるまでは完全にお茶デートのつもりだったのに、
わずか10分か15分くらいの電話で葉月は自分から保護者ルームをお願いすることに…。
(なんでこうなるんだか)

 

とにかく、明日約束の時間に行けるように、
今夜中(というか朝まで)に、仕事を完璧に終わらせておかなくちゃ!

葉月は車からおりて、足早にエレベーターからオフィスに向かったのだった。

 

 

 

 

 

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