手術日の朝

 

 

あまりぐっすりとは眠れないまま、いつもより早く目が覚めました。
前日はご主人様と電話でお話ししたし、
夜は愛人さんがメールで相手をしてくれたので
「迷い」というものはなかったけれど
生まれて初めての麻酔、そして体にメスを入れるという行為に
やっぱり緊張していたんだと思います。
それから、布団に入ってからなんだかしくしくとお腹が痛くなってきたのも
安眠できなかった理由かも知れません。

 

「朝はちゃんと食べて、その後は水分補給だけ、だったよな」
などと今日の行動を復習しながら朝のトイレに行ってビックリ!

 

 

うわわわっ!
どーしよーーー!!!
生理になっちゃったよ。(滝汗)

 

 

 

自慢じゃありませんが葉月は生理不順です。
不順と言っても「遅れがち」な不順。
3ヶ月生理がなくてもあまりビックリしないってくらいの生理少な目女です。

前回の生理からまだ3週間しか経っていません。
手術日を決断したのも実はこのこともあって
「この日なら絶対に生理がくることはないし」
と思ったからなんです。

 

なんでなんでなんで〜〜〜〜〜?

 

だって、生理初日です。
かなり出血があります。
こんな状態でお尻を切られたら前も後ろも出血状態。

朝のトイレの中でしばし呆然としてしまいました。

 

「病院に事情を話して手術日を替えてもらおうかな」
まず考えたのはこのことです。
出血のことだけでなく、葉月は生理の時には全般的に体調が悪くなります。
できることなら体調万全で臨みたい。

すぐに病院に電話をしようと思ったけど
時間がまだ早かったので電話をしても当然のことながら留守電。
仕方がないので受付開始の時間まで、待つことにしました。
手術は午後からなのでお昼前に家を出れば間に合います。

「せっかく腹を決めたのに、もしかしたら延期かぁ」

気持ちが中途半端な感じになりました。

 

朝イチで愛人さんからメールをもらっていたので
返信をして気を紛らわしました。

> 生理になっちゃいましたよ〜。(T^T)
> これでお尻を切ったら前も後ろも出血大サービスです。
> とほほ。

幸いなことに愛人さんからはすぐに返信をもらえました。

> おぉー
> これ、けっこう日記ネタとしては最高かも…(笑)

こらこらこら、一言くらい「大丈夫か?」とか心配の言葉はないのか〜い?

 

時間になったので病院に電話して生理になっちゃったことを言うと
電話に出た看護婦さんのような人が
「ぜ〜んぜん大丈夫ですよ〜。気にしないでお越しください♪」
と、明るく応えてくれました。

「ぜ〜んぜん大丈夫」なのかぁ。
生理痛も少し出てきて体調悪いし
半分くらいは「今日はナシだな」と自分の中で決めかけていたので
看護婦さんのその明るい言い方にちょっとカクッとなってしまいました。

 

> 病院に電話したら生理でもいいって。(^◇^;)
> 生理痛も出てきたんだけど、麻酔打てば治るかなぁ

早速愛人さんに報告。

> これも、おいしいネタです。
> ぜひ日記に!

おぃおぃおぃおぃ。
おもしろがるなよ〜〜〜!

 

でもね、この朝の時間の愛人さんとのメールのやりとりで
葉月はとても救われていたんです。
深刻な気分に持っていかないようにひたすら軽いノリで返してくれてた愛人さんには
心から感謝です。

さて、そろそろお風呂でも入って来ようかな〜と思ってるところで
携帯にメールが入りました。
見るとご主人様から。

> おはよう。
> 手術前にコーヒーをサービスしたいがどうだろう
> 駅前で、時間は任せる

うっひゃ〜〜!
ご主人様ったら粋なことを〜〜〜〜♪
お忙しいのに、お疲れなのに、
葉月がピンチの時にはいつもこうやって駆けつけてくれます。
あ〜ん、ご主人様ぁ〜〜〜。(うるうるうる)

急いでお風呂に入ってから家を出られる時間と予約の時間を逆算して
「30分ほどしかお目にかかれませんけど」
と前置きして時間の約束をしました。

 

生理になって手術する気持ちが萎えていたのに
急にバタバタと慌てることになりました。

慌ててお風呂に入りました。
術後一週間はお風呂に入れないと聞いているので
今日はゆったりのんびりお風呂に入ろうと思っていたのに
10分くらいで済ませることになってしまいました。

愛人さんにはリュウさんが来てくれることと相手をしてくれたお礼をメールで伝えて
「行ってきます♪」
と元気に挨拶して家を出ました。

でもね、このバタバタがよかったです。
何も考えないでいられたから。

 

約束の駅でご主人様と会いました。
「ご主人様ごめんなさい。時間が決まってるので30分しかいられません」
「そんなこと気にするな。一言葉月を激励したかっただけだから」

うるうるうるうる。
ご主人様ってばなんて優しいの〜〜〜。

少し前の新年顔合わせで
ご主人様が「3〜40分はいられるかな?」って言った時
葉月は「たったそれだけですか〜?(-_-;)」って激怒しましたよねぇ?
なのになのに、ご主人様も30分のためにわざわざ来てくださるなんて〜〜〜。

 

とにかくご主人様と喫茶店に入りました。
食事はできないけど水分補給はするように言われているので
コーヒーはオッケーでしょう。

外が寒かったこともあって
その時のコーヒーは心と体に染み込むようにとっても温かくて
涙が出るほど美味しかったです。

 

「ご主人様、葉月ってば今朝から生理になっちゃったんですよぉ」
「そ、そうか」
「でも病院に電話したら生理でもいいんだって」
「そうなのか」

「まぁ、一度に終わっちゃった方がいいじゃないか」
「あははは、そうですよね!
葉月も生理痛がちょっと痛いので早く麻酔打ってもらいたいと思ってるんですよ」
「そうか、麻酔なら生理痛にも...効くよな、きっと」
二人とも経験のないことについての会話なので
なんとなく自信なさ気で盛り上がりません。(笑)

 

「ねぇ、ご主人様」
「ん?なんだ?」

「葉月は誰にも相談しないでお尻切ることを1人で決めちゃいましたけど
ホントのところ、ご主人様はどう思ってるんですか?」

今回の手術のことについては
葉月は本当に誰にも相談しないでたったひとりで決めてしまいました。
それは、相談した相手が何と言っても葉月の決心は変わらないと思ったし
自分の体のことだから人に相談することではないと思ったからです。

だけど、ちょっと聞いてみたい気がしました。
ここまで来てどんな意見を聞いても決心が鈍ることはないとも思えました。

 

「うーん、そうだな...」
ご主人様はちょっとだけ考えてから葉月に言いました。

「いいと思うよ」

「そうですか!それはどうして?
見かけや形のことなんて気にしなくていいってご主人様はいつも言ってるじゃないですか」

「ボクは気にしないけど、葉月がずっと気にしてたことは知ってるからね」

確かにそうでした。
ご主人様は葉月のお尻に痔があることを気にするどころか
逆に「痔〜ちゃん」と言って可愛がってくれていたし
股縄などが痛いこともわかっていたからそのことにはとても気を遣ってくれていました。

気にしていたのは葉月の方でした。
痔があることでご主人様がしたいことをできないのが申し訳ないと思っていたし
エッチ行為の最中でも
「ご主人様、出てませんか?出てきてませんか〜?」
って何度も聞いたりしていました。

ずっと長いことそんな葉月を見ていたご主人様には
痔というものが葉月の中でコンプレックス以上のものだったということを
一番理解してくれていたのです。

「これでさっぱりするならいいじゃないか」

ご主人様にそう言ってもらえてなんだか勇気が出てきました。

 

30分なんてあっと言う間で
葉月はもう行かなければなりませんでした。
病院はここから歩いて5分くらいのところです。

「じゃ、ご主人様。今日はありがとうございました」
お礼を言って葉月が行こうとすると
「いや、病院の前まで送っていくよ」
と言ってくれました。

「いいですよいいですよ〜。寒いし遠いし」
「いいから。行くぞ」

結局病院の前まで着いてきてくれることになりました。

 

病院までの道をご主人様と一緒に歩きながら
葉月はご主人様がいなくてひとりで病院に向かう葉月のことを想像していました。
寒い中、初めての手術を受けに駅から1人でトボトボ病院に向かっている葉月。
頭の中ではきっと、不安とか心配とか、
そういうよくないことばかり考えて憂鬱な気分で歩いていたに違いありません。

それが当たり前なんだけど
その葉月に比べて今の葉月はどうだ?
ご主人様が一緒にいてくれるだけでちっとも怖くないしちっとも不安じゃない。
なんて凄いんだろ?
なんて幸せなんだろ?
って、ご主人様に心から感謝していました。

憂鬱で遠い道のりだったはずの病院にはすぐに着いてしまいました。

「ご主人様、ここです」
「ここか」
ご主人様はビルを見上げて立ち止まりました。

「じゃ、ここで」と葉月が言った時、
ご主人様が葉月の背中をポ〜〜〜ンと叩きました。

「よし、それじゃ元気に行ってこい!」

 

マジで泣く寸前でした。

あ〜、なんかやっぱ、この人って凄いわって思いました。

 

 

ご主人様がいなくても葉月は独りで病院にちゃんと行けたと思います。
自分で決めたことですから。
だけど、葉月が決めたことをご主人様が尊重してくれて
こうして応援してくれた気持ちは
手術前の憂鬱な気分を一掃してくれて、とても楽にしてくれました。

こうして葉月はご主人様に言われた通り、
元気に病院の中に入り、受付をすることができたのでした。

 

 

 

 

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